さて、前エントリではタイトルに反して自分の個人的な転職話について書いてしまったが、
本エントリでは、キャリアパスについてもう少し考えてみる。
○本当に偉いのか
SI業界界隈では、
PM > SE > PGという暗黙知が成立してしまっているような気がする。
単純に管理する範囲が大きくなる=偉い
という図式で語られているといえる。
確かに抱える範囲が大きければ責任も大きくなるし
難しい局面も多いだろう。
その分、責任が生じることも理解できる。
しかし、抱える範囲がデカければ偉いというのは分からない。
○ポジションとその役割の意味
とても簡単に言ってしまえば
PMはプロジェクト全体を
SEやリーダーはチームやPGを
PGはプログラムや成果物を管理する。
プログラムを作るから各モジュールが出来るし、
各モジュールを作るためのチームをまとめる人がいるからプロダクトが出来る。
各プロダクトを管理する人がいるからシステムが稼働する。
どれひとつ欠けても成り立たないように思う。
僕としての実感は各ポジションで特性が違うだけである。
強いて言えばみんな偉い。だから対等であるべきだと思う。
年功序列等の縦社会や各人の実力や苦労などは尊重すべきだが、
どんな立場であれ、対等な立場にたって取り組むことは
結果的に品質の向上にも繋がると思うし、意見交換もしやすい。
作業者(PG)は与えられたものをこなすだけという
風潮があるからロクなものは出来ないし、PGという身分が最下層みたいな印象なるんだろう。
与えられた狭い鳥かごの中しか動けないと思い込んではないだろうか。
SI事業は人でなりたっているのに、人を歯車として扱いがちである。
どのポジションにいても対等な関係であると考えるのが
健全ではないだろうか。
こういった考えは(持論だが)どの業種のどの会社でもそうで、
社長だから部長だから偉いとは思わない。
○技術志向の道はあるのか
そもそもポジションとして技術志向のものはあるのか。
正直行って、あまりないのでは、と思う。
パターンとして
1 全く技術上級職を設けていない
2 SEやPM(リーダーシップ) + スペシャリスト
3 上記の2 + コンサル + 営業職へのシフト
上記3つのパターンがあると思う。
この、会社としてポストを設けているかいないかの差は
とても大きいと思う。つまり前例がないということだから。
企業は基本的に保守的な体質である。
前例のないものを認める労力はかなり高い。
明文化されたものでなく「あの人は技術があるから」という理由で出世することはあるとは思うが。
出世した先に待つのは管理職だったりする。
技術が認められたなら技術を推進する仕事を与えるべきだと思うけど。
需要と供給のミスマッチが起こり、向上心や意欲を削ぐ結果になるのではないか。
・その他
その他にはITコンサルタント、ITアーキテクトと呼ばれる設計メインのポジションもある。らしい。
実態はわからないが、そういった業務も技術と向き合うには面白そうである。
SI業界を前提に話しているが、もう少し視野を広げるとソーシャル系やSNS、社内SE(またの名を便利屋・・?)などもある。
それぞれに特性や問題があると思うのが技術志向を貫くために少し業界をずらすことも良いのかもしれない。
○技術志向のキャリアを歩める環境は少ない
問題として、技術は成果として目に見えにくいという点がある。
たとえ、非常に可読性の高く、処理効率の良いプログラムを組んだとしても、
求められるのは納期通りに及第点の動作をする成果物でしかないのである。
いくら質の良いものを提供する能力があっても、
求められるのはある程度の品質のものを量産するファクトリーのような人間だったりする。
しかもそれが出向先だったりすると、自分の会社には技術力をアピールするシーンがないと考えて良いと思う。
あるとすれば、常駐先の作業とは別に社内向けのプロダクトを提示するぐらいしかすべはない。
また、上級の技術職としてどういった業務
を任せるかというの問題である。
ある程度の品質のものを納期内にという
ポリシーでは単純なミドルウェアの選定や
モジュールの設計
ソースレビューによる品質向上
先を見越した開発や保守の方針の修正などしか出来ない。
何をもって「技術志向」とするかという問題もあるが、
技術の専門家のポストというのはプロパーからしても与えにくいものではないかと思う。
○自分で技術志向の道を開拓できる人材は希少である
技術力によって局面を打開できる、またはチームに対して改善策を提示出来る人材は少ない。
さらにいえば、そういった能力を用いて、それを評価されることは前述の通り大変ハードルの高いものである。
簡単に言うと評価は二極化されている。
「この人がいたからパフォーマンスが改善され、年間4000万円の利益が出た」
とかそのぐらいのレベルの人なら技術を評価されるが
それ以外の人たちは並として扱われる。
評価されるとしても「頑張っている」、「デキる人」とか適当なこと言われるだけである
(だったらその分給料くださry)
技術的な貢献をし、直実に品質を向上させている人であっても二極化の中ではグレーゾーンに入ってしまい、並のエンジニアとして扱われることが多いと思う。
○まとめ
プログラマーとしてどう生きるか、と大仰に書いたがPGのポジションから技術志向で上昇していくためには、
グレーゾーンから抜け出すことしかないと思う。
そのためには
・自分の成果を目に見えるものにする(資格取得、業績向上、高品質なプロダクトetc...)
・評価制度のしっかりした企業で働く(つまり会社側にグレーゾーンを狭めてもらう)
・業界をかえる(ソーシャル系のエンジニアになる等)
という方法があるように思う。
僕としては、しばらくは自分の成果を目に見えるものにし、
ある程度の業務経験が長くなった時点でまた方法を変えていこうと思っている。
0 件のコメント:
コメントを投稿