という完全に仮説というか思考実験みたいなものを書いてみます。
ざっくりまとめ
- ベテランの何気ない情報は世に出にくいという仮設
- ベテランは、独自見解など良い感じのもの以外の簡単な技術記事が書けなくなる、書きにくくなる
- 簡単な記事は経験浅めの人に偏りベテランは簡単な記事を書かない。簡単なものでも書いてくれるベテランは、アウトプット好きに限られる
- 簡単なものであったとしても世に出してくれれば嬉しいな
前提
経験の浅い人 = 初級者
ベテラン = 中級者以上
とおきかえてもらっても良いかもしれません。
経験の浅い人は簡単なことでも感動できるのでブログを抵抗なく書きやすい
例えば
「Javaのセットアップが出来た!」
「Rubyのセットアップが出来た!」
「このライブラリで良い感じに出来た!」
はじめのうちは一つ一つが嬉しいし一つ一つにハマりがちだったりするので、
感動もありハマりどころもありブログに書いてみるかーとなったりします。
ベテランの人は簡単なことはすぐに分かるようになってくるので感動しなくなる
ところが、あるときから
セットアップも難なく出来るようになるし、ライブラリもなんとなく使ってみたら普通に動く
という風にレベルアップするので感動しなくなります。
ベテランの人は感動しなくなるので、簡単なことをブログに書く動機がなくなる
経験の浅い時にブログを書いていた当時のような感動やハマりどころがあまり発生しづらくなり、
あえてブログに書かないでも良いか〜とモチベーションが湧かなくなります。
ベテランの人は簡単な記事が書きにくくなる
また、「公式ドキュメントを読めば済む話だし」とか
「詳しい人の意見を参考にすれば良いし」とか
「ここに関してはそこまで深掘りしなくていいな」とか
色々調べ方や考え方も習熟してきます。
そのため、自分には不要かなーとなり同じレベル感の他人へ役に立たない内容になるのでは、と思ってしまいブログを書くことを阻害します。
ブログが好き・得意なインターネッツの人は簡単なことでも良いのでブログを書きましょうと言う
一方でブログが得意な人、インターネッツが好きな人は
世の中に良い記事が溢れている世界や面白いものが転がっているものが好きでそれに対してあーだこーだ話したいので
「遠慮しないで書こうよ!」と言います。
これは躊躇している若手には勇気づけになるのかもしれないですが、
ベテランになってくると響かなくなってくる気がします。
なぜならモチベーションも含め書く難易度が上がってくるからです。
ベテランの人はTwitterや社内Slackでポツッと書いて済ませる
とはいえ、時々はベテランも(多かれ少なかれ)頭の中にあるものをアウトプットしたくはなります。
そんなときに大体の場合Twitterや社内のSlackなどで軽くつぶやける状態が整っています。
それで満足できてしまうし、そこからさらに深堀りして考察しようという熱は冷めてしまいがちです。
言うならば、サイロ化しやすい状態です。
経験の浅い人にとっては抜け落ちたコンテキストが伝わっていなかったりする
ブログに書くというのは結構丁寧目な文章化だと思っていて
- 他人に見せる(少なくともインターネットに公開する)という意識がある
- コードも含めて詳細に書こうと思えばかける
- 文書構成も考える必要がある
- 結果それなりの長文になりやすい
などのポイントがあり、ブログを書く時点でそれなりの詳細度になっていることが多いです。
一方で、slackやtwitterの場合、その人の内面の一部が抽出されているだけであり、
前提知識や想定なども整っていないことが多いです。
そうなると実はその一言の裏には、色々な示唆に富む情報が潜在的にあったとしても、
それを拾える人と拾えない人が出てくるのではないかと思います。
つまり、書いて目にしていたとしても案外それが伝わっていなかったりします。
そうすると、ナレッジシェアみたいな意味だと難しさが上がっているのかもしれない。
イメージ的には、「これは伝えておいたほうが良い特殊な知見だ」というものは
意識的に文章を書いたり話したりすると思いますが、ベテランにとって取るに足らない当たり前のことが抜け落ちがちな感じです。
どちらにせよエスパー力が必要説
しかし、これは自分で書いておきながらアレですが半信半疑ではあり、
ブログのような長文で詳細に書いてあったとしても
それを読解する人も結構限定的であるのかなというところはあります。
なので、伝わる人にしか伝わらないというのは変わりないのかもしれません。
個人的には情報が無いものはエスパーするしか無いので、
エスパーするにしても長文の方がエスパーしやすいという点でブログのほうが情報共有には向いているのかもと思ったりします。
ネット上にはベテランの人のブログが抜け落ちやすい
ブログが好きでもないベテランはブログを書かない方に傾くので、こんな感じになる
- SEOに力を入れている技術スクールの浅めの記事
- SEOに力を入れており、ポータルとしての役目を持っているサービス(Qiita、Zennなど)に掲載された経験の浅い人の簡単な記事
- なんとか採用につなげたい!感が透けて見える企業ブログの記事
- ずっとブログが好きな人で書き続けてる人の記事
- 読み応えのある怪文書(本当の怪文書と知見に富む文書に分かれる)
書き続けている人はベテランになっても書き続けていて、
それなりに経験を積むため思慮に富んだものだったり理路整然としてて無駄がなかったりする。
怪文書もまたベテランの方が書きやすい傾向にある。
まとめると、ベテランは多少の難易度があること or 怪文書しか書かなくなる。
ベテランの知見は社内やコミュニティや個人に閉じやすい
ベテランの知見は本人にとっては当たり前となり、
社内やコミュニティで聞かれた人にだけ部分的に答えるみたいな感じになるのではないかなと思います。
そういう情報にたどり着きたい人は、コミュニティに飛び込んだりそういった環境で働いて身につけるかです。
もしくは独学で自分自身たどり着くかみたいな世界になってるのかなぁ、などと思います。
なんでもない情報も書いてほしい
そういった形で世の中に出る情報には世に出た時点である程度の社会性フィルターみたいなものがかかっており、
情報のコントラストもあるという前提で漁っていくのが重要だよなとか思ったりします。
自分は「今検索してヒットしたこれは、このタイプのブログ記事だな」というのを頭の中でなんとなく分類したりします。(多分みんなやってると思うけど)
まぁ、なので本当に良い知見とかはコミュニティの奥深くとか会社の奥深くとかにダイヤの原石のように眠っていたりする気がします。
そういう探検みたいなのも自分は好きだし、
それはそれで良いんですが、できるならベテランの皆様は世の技術が良い方向に行くように重い腰を上げてなんでも書いてほしいなと思います。
僕も、ブログというものが好きでインターネッツのコミュニティみたいなものが好きな中の一人なので。
そう、今まさに書いているこの怪文書みたいなの。そういうのがいっぱいあるのが好きなんだけどな
APPENDIX
- そもそもインターネットに発信することに対しての抵抗感について以前に書いた
- 経験を積んでくると初心に戻れなくなって困るなぁという話も以前に書いた
- ブログを書くこと自体についての抵抗感をなくす勇気をくれたいろふさんのやつ
1 件のコメント:
分かり見深い。
書かなくなるんだよねー
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